不機嫌な果実
1.不機嫌男
「朝から目障り」

・・・

蛇に睨まれたカエルとでもいうべきなんだろうか?

・・・

玄関を出た私の目の前に、

超不機嫌そうな顔をして立っている不機嫌男。

その名は、前田凌也(17)。

私より一つ年下のくせに、

何時もこうやって憎まれ口をたたく

嬉しくないお隣さん。

「…だったら、

そんなところにいつまでも突っ立ってないで、

さっさと学校行ったら?」

・・・

私もいつものように、

冷たく凌也をあしらう。

・・・

「…言われなくても、行く。

お前見てると、目が腐る」


「なっ?!」

私が目を見開いた瞬間、

勝ち誇ったようにニヤッと笑った。

…清々しい朝が台無しだ・・・
< 1 / 90 >

この作品をシェア

pagetop