不機嫌な果実

★不機嫌王子の目線の先は

【桃子side】

最低、最低、最低。

もう何度この言葉が頭を巡っているのか。

人の告白を見て、目障りとか、

ありえなくない?

私だって好きで告白されてるわけじゃないのに、

何であんな言い方されなきゃけないわけ?

・・・

腹が立って、腹が立って・・・

・・・

凌也だって、しょっちゅう、

女子から告白されまくりじゃない。

何回アンタの告白現場に遭遇したと思う?

もう、数えきれないくらいよ。

・・・

「桃子、どうしたんだ、そんな怖い顔して?」

突然そんな声が聞こえてきた。

俯いていた私はパッと、顔を上げる。

・・・

「…恭治…部活は?」

「ん?あぁ、今ロードワーク中」

「どんだけの距離走ってるのよ?」

そう突っ込まずにはいられなかった。

恭治は、プッ笑って、



「オレは特別なんだよ。

・・・というか、桃子の事が気になって、

追いかけてきた」
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