不機嫌な果実
「気にすんなよ。

そんなに焦って答えださなくてもいいから・・・

って言うか、オレが答えを聞くのが

怖かったりするんだけどな」


そう言って笑う恭治。


「・・・ありがと」


「礼なんて・・・」


「早く、部活、戻りなよ。

いくらサッカーが上手くても、

いつまでもサボってちゃ、部長じゃないよ?」


「…分かってる。

じゃあ、また明日」


「うん、また明日」


・・・

走って帰っていく恭治を、

見えなくなるまで見つめてた。

恭治と付き合ったら、

凄く大切にしてくれるんだろうな。

でも、私には引っかかる事があった。

それは、自分でもよくわかってなくて、

どうしたらいいのか、困っていた。
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