不機嫌な果実
【凌也side】

あの日を境に、桃子はオレを避けた。

登校時間も全く違う時間にして、

学校でも、すれ違う事があっても、

目も合わせない。

その事にイライラして、よく物に当たっていた。

何がそんなに腹が立つのか、

自分でもよくわからねぇ・・・

・・・

誰か、このイライラの意味を教えてほしい。

なんて思う自分がいた。

・・・

「お前って、鈍感なんだな」

そう言って笑うのは・・・


「うるせぇよ・・・

何でオレが鈍感なんだよ?」

ムスッとした顔で淳史の顔を見る。

淳史はすべてわかってるような顔をする。

・・・

それがまた更に腹が立つ。


「そのイライラの原因、未だにわかってないだろ?」

「…淳史にはわかるっていうのかよ?」

「わからない方が可笑しいぞ?

自分の気持ちなんだから、わかるだろ普通?」

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