不機嫌な果実
・・・流石に、

授業中行ける場所は見当たるはずもなく、

オレは仕方なく、屋上へ。

・・・う。

梅雨にしては珍しい晴天。

少し熱い気もするが、我慢するか。

…日陰を見つけ、そこに寝転がる。

色々考えすぎたせいか、

いつの間にか、眠ってしまった。

・・・

・・・・・

・・・ん?

ここは屋上。誰もいないはずなのに、

人の話し声が聞こえてくる。

そっと体を起こし、声がする方に視線を送る。

・・・げ。

もう、これで何度目だよ?

オレの視界に入ってるのは、まさしく告白タイム。

しかも男の顔は知らねえが、

女の方は・・・桃子。

どうした?何で最近こうも、

桃子が告白されるところを目撃しなきゃいけないんだ?

イライラするし、気は滅入るし・・・

だからと言って今立ち上がる勇気がなぜだか出ない。
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