不機嫌な果実
「ふ~ん、そういう事か」

話しを聞き終えて、最初に言ったのがこの言葉だった。


「・・・全部、私が悪いのかな、やっぱりそうだよね」

そう言ってシュンとする私。


「まぁ、0%桃子は悪くない、とは言えないけど、

恭治は、何をそんなに焦ってんのかね?

凌也と桃子は、幼なじみだったわけでしょ?

仲良くしてようが、仲悪かろうが、恭治には関係ないし。

・・・桃子は、凌也の事、どう思ってるの?」


「…幼なじみ」

率直な意見を言う。


「じゃあ、恭治は?」

「・・・男友達」

私の答えに、雅は困ったように笑った。


「恋愛対象はどっち?」

「・・・そんな事、今まで考えた事ない」


「・・・桃子って、今まで好きな男子とかできなかったわけ?」

「う~ん・・・最初に好きになったのは、凌也だったかな?

他の男子って、苦手だったから・・・

今まで18年間、それ以外で好きになった男子とか、皆無・・・かも」


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