不機嫌な果実
雅に言われて、凌也の普段の態度が繋がる。

朝、毎日気怠そうにしてる凌也。

話してても、いつもあくびばかりしてる凌也。

…それはすべて、自分の将来の為だった。


…みんな頑張ってるんだ。


私は恭治も凌也も大好き。

それは恋愛感情ナシと言う意味で。

今は、その事を考えてる時じゃないって気がした。


だから、恭治にそう言うつもりで、

放課後。恭治の部活が終わるまで、グラウンドの隅で、

恭治を見てた。


「はぁ・・・はぁ・・・いつまでこんな所にいるつもり?」

部活が終わり、私の目の前まで走ってきた恭治。


「…ゴメン、邪魔だった?」

「まさか…今日は少し寒かったから、ほら、これ」

…パサッ。

その行動にドキッとする。それと同時に、体も心もホンワカあったかくなった。


恭治は、自分のベンチコートを私にはおらせた。

「ありがと」

「ちょっと待ってて、すぐに着替えてくるから」

恭治の言葉に、コクリと頷いた。
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