7分の1のスキ。





「う、ん。いいよ」


そう言って弁当箱を差し出す。

三木くんはあたしのお弁当からたまごやきをひょいっと取って行った。


そのまま、それを口に運ぶ。


「上原、わかりやすいな」

「え!?」

「顔赤いぞー」


ふはは、と三木くんが笑う。


そんな事言うから赤くなるんじゃん……


「うま」


たまごやきを食べ終えた三木くんが、一言そう言ってまた自分のパンを食べ始める。


続く、沈黙。



う………………




「な、なんかしゃべろーよ…」


沈黙に耐えられなくなったあたしは、お弁当を食べながら言った。


「上原かわいーー」

「なっ!?…」


あたしたちが座っている前に植えてある、大きい木を眺めながら言う。


再び熱くなるあたしの顔。


恥ずかしさを紛らわすために食べ終わった弁当箱を片付ける。




そんなあたしを見て、三木くんはぶはっと吹き出す。

「そうゆうとこが!」




三木くんとあたしは一緒に笑って………



すごくあたたかい昼休みだった。




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