7分の1のスキ。



俺と上原が初めて会話した時、奏太の彼女ってこともあって、俺から話しかけたんだ。

上原は、俺がいきなり話しかけたことにびっくりしたのか、目を丸くして戸惑いながら俺に返事をしていたみたいだけど。



「上原ってバス通じゃねぇの?」

たしかバスで見かけたことあるから、上原はバス通だったはず。


「え?あー…えーとね、雨の日は歩いて帰ってるから」


と言ってカバンを持ち直す。


「なんで?」

と、俺が聞くと。



「カサ、足にくっつくの嫌なんだ」


と、言った。

その答えに少し驚いてしまい、思わず吹き出してしまった。


俺と一緒じゃん。


不思議そうに、笑う俺を見つめる上原は首を傾げる。


「はは、俺と一緒」


上原を見ると、カサをもっていない。

もしかして、カサがなかったからウロウロしてたのか?


……それなら、俺カサあるし…

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