7分の1のスキ。


「もしかして、コレ探してる?」


誰もいない玄関に響く、低くてふわりとした声。

振り向くとクラスメイトの三木高弥(だったっけ?)がアメジストを手のひらに乗せながら立っていた。

「ぁ…う、うん。ありがと。」


慌てて三木くんからアメジストをもらう。



もう、カバンにつけるのはやめよう。

これ以上落としていたら、いつかなくなってしまうのがオチだ。


改めて思い、小袋をポーチの中にしまった。


きちんとポーチにしまったあと、頭をあげるとまだ三木くんが前に立っていることに気がつく。



え……ど、どうすればいいのこれ……


戸惑うあたし。

気まずい沈黙。

頭の中真っ白。



目をパチパチさせていると三木くんが口を開いた。



「はやく帰んないの?」

突然の会話に戸惑うあたし。



「友達待ち?宮下は?」


三木くんは、そんなあたしなんか気にせず言葉を次々と放つ。


「え…と、麻衣は電車通学。」

「ふーん」



会話終了。

ふーんって……



どうしよう…。
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