7分の1のスキ。


「で、上原は帰んないの?」


いきなり声をかけられ、ビクリと体が跳ねる。


「あ…えーと、カサなくて……」

しどろもどろ、とはこうゆうことをいうのか。
そんな風に答えるあたし。


「あはははー。つーか 上原ってバス通じゃねぇの?」

いや、そんな笑わなくても。


三木くんは、まだ喉の奥で笑っている。


「ぁー、えーとね。雨の日は歩いて帰ってるから…」

「なんで?」

「カサ、足にくっつくの嫌なんだ」


そして、なぜか苦笑いするあたし。




あたし、何してんだろ…



あたしが小さくため息をつくと、三木くんが下を向いてふはっ、と吹き出した。

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