7分の1のスキ。



『…それじゃあ、夕方いくわ』

三木くんに電話を切られそうになり、慌てて口を開く。

お、お礼まだいってない!!



「あっ、あのね、…昨日、ありがと」


いま、すっごい勢いだったよね、あたし。
なにしてんの、もー…
恥ずかしい…



『あーー…それあんまり言わないで?』


三木くんが困った様に言った。


「え…?…ごめ…ん」

なんか、あたし悪いこと言っちゃった?


少し戸惑う。


『違う違う。そーゆー意味じゃなくて…』


「え?」


『その……、俺昨日、結構恥ずかしいことやってんだよね……上原の事、思わず抱きしめちゃったし…』


はずかしそうに、ごにょごにょと言う三木くん。


「………ぁ、えっと。全然木にしてないよ。…むしろ三木くんいなかったらやばかったし…」

『なら、良かったけど………。じゃあ、またな。あとで行く』


「…ぁ、うん。じゃあね」


あたしがそう言ってから、プツンと電話のきれる音がした。


< 50 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop