7分の1のスキ。
『…それじゃあ、夕方いくわ』
三木くんに電話を切られそうになり、慌てて口を開く。
お、お礼まだいってない!!
「あっ、あのね、…昨日、ありがと」
いま、すっごい勢いだったよね、あたし。
なにしてんの、もー…
恥ずかしい…
『あーー…それあんまり言わないで?』
三木くんが困った様に言った。
「え…?…ごめ…ん」
なんか、あたし悪いこと言っちゃった?
少し戸惑う。
『違う違う。そーゆー意味じゃなくて…』
「え?」
『その……、俺昨日、結構恥ずかしいことやってんだよね……上原の事、思わず抱きしめちゃったし…』
はずかしそうに、ごにょごにょと言う三木くん。
「………ぁ、えっと。全然木にしてないよ。…むしろ三木くんいなかったらやばかったし…」
『なら、良かったけど………。じゃあ、またな。あとで行く』
「…ぁ、うん。じゃあね」
あたしがそう言ってから、プツンと電話のきれる音がした。