空が泣いた。



「じゃあ、そろそろ戻ろうか」

「あ。そうすっね」


「じゃね」

「気をつけて帰れよ」

「うん」



たぶん、

ユニフォームから制服に着替えに行くのかな。

私も早く帰ろう・・・。



「なんか、静か・・・」



さっきまで、

たくさんの人が押し込まれていた体育館は、

私以外人がいなくて、少し、寂しい。



「あ。急がないと」



時計を見ると、

お母さんと約束した時間を15分切っていた。

慌てて車椅子を回転させて体育館の出口に向かう。

段差があることを忘れて勢いよく外に出る。



「っあ!!!」



倒れる・・・と思ったら。



「大丈夫!?」


「な、永井先輩・・・」



永井先輩が車椅子を、

掴んでくれたおかげで倒れなくてすんだ。

ほっとして、踏ん張ってた力を抜いたせいで。



「きゃっ!!!」


「あっ!!」



車椅子から落ちてしまった。



「足、大丈夫!?」


「なんとか・・・」


「一応、保険の先生にでも・・・」


「だ、大丈夫ですから!!」

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