空が泣いた。

優しさ




「じゃあ、いってきます」



車を降りて、校門をくぐる。

すると校門に寄りかかるようにして永井先輩がいた。



「あ、おはようございます」


「おはよう。じゃ、行こうか」


「えっ」


「自分で押すの、大変だろ」


「ありがとうございます・・・」



もしかして、

私の車椅子押してくれるために待ってたの?

なんで??



「教室、どこ?」


「2-Cです」


「あ、俺去年、そこだったなー」


「そうなんですか??」


「そう。一緒だね」


「あ、はい・・・」


「着いたよ。じゃ、また後で」



それだけ言って、元来た廊下を歩いて行っちゃった。

『また後で』ってことはまた来るの?先輩・・・。



「おっはー」


「あ、おはよう」


「ねぇ、さっきの人、永井先輩でしょ?」


「う、うん。そうだよ」


「もしかして、押して来てもらったの??」


「うん。頼んでないんだけどね」


「きゃー!!何それ!!昨日のうちに何があったの!?」


「何にもなかったよー」



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