空が泣いた。



  ―放課後―



「花、準備出来た!?体育館、行くよっ」


「えっ。ま、まだ出来てないよっ」


「ちょっとー早くしないと席が埋まっちゃうじゃん!!」



え。あの大きい体育館の席が埋まっちゃうほど人気なの・・・??

そういえば、他校からも人が押し寄せてくるんだっけ。



「よいしょ、行けるよ」


「よし。体育館までダッシュで行くよー!!!」


「え、えぇ!?」



ものすごい勢いで車椅子を押すなっちゃん。

なっちゃんってこんなにも足速いんだ・・・。



「あーもう人がいっぱい・・・」


「ご、ごめんねっ。私のせいで・・・」



なっちゃんの足のおかげで、

1分もしないうちに体育館には着いたけど、

ほぼ席が埋まっちゃってる状態。

2人でがっかりしていると。



「あ。ここどうぞー」


「えっ。いいんですか!?ありがとーございますー」


「車椅子なのに立ち見は大変そうだから」



なんて優しい人。制服が違うってことは他校の人??

うーん・・・。どこの高校だろう。



「よかったね、花!!」


「うん、優しい人だったね」



私は車椅子をなっちゃんの席の横にくっつける。

ちょうど前のほうだから、迷惑はかからない。


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