空が泣いた。
「そういえば、花乃と喋ったの、久しぶりだなー」
「うん」
たぶん、
別れてから初めて喋ったかもしれない。
廊下とかでもすれ違っても、
お互い知らんぷりだった。
「で、そのなっちゃんは?」
「さっき先生に呼び出しされて職員室」
「あいつのことだからまた提出物だろ」
「あははは。たぶんね」
そういえば、なんで私、
倉田くんと別れたんだろう・・・。
「花乃って本当よく笑うよな」
「そうかな?自分じゃわかんないけど」
「倉田、ミーティングサボって女子とお喋り?」
突然、頭上から男の人の声。
見上げると、永井先輩がニコっと笑った。
「えっ。す、すいません!!ミーティングあったんすか」
「俺、試合終わったら集まってって言ったけど」
「本当、すいません!!」
倉田くん、
相変わらず人の話聞かないんだ・・・。
「で、君、さっきの子だね」
「え?先輩、花乃のと知り合いっすか?」
「ううん。試合中、目が合ったんだよ」
「あ、はい。すごいシュートでした」
「ありがとう、今日はまだ悪い方だったんだけど」
そう言ってまたニコりと笑う永井先輩。