空が泣いた。



「試合中も思ったんだけど、その足、大丈夫?」


「え。あぁ、はい」


「骨折でもしたの?」


「えっと・・・そうじゃなくってですね・・・」



うーん・・・。

どうやって説明すればいいのかな。

普通に言っちゃえばいいのかな。



「先輩。花乃、生まれつき足が悪いんっすよ」


「あ、そうなんだ。ゴメンね、聞いちゃって」


「あ。そういうのはいいです」



同情なんて、されたくない。

別に、自分が可哀想なんて、思ってない。

小さい頃から、いろんな人からそういう目で見られてきた。

その目が昔から嫌だった。



「あぁ、そういえば」



永井先輩は思い出したように顔を上げて笑う。



「自己紹介まだだったね。俺、永井 昴っていうの」


「あ。み、宮野 花乃です」


「よろしくね、花乃ちゃん」



永井先輩ってよく笑う人だなー・・・。



「また、試合見に来てね」



でもなんか。

無理して笑ってるような気がするのは、

私だけなのかな・・・??

< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop