空色の恋



「とでも言うと思った?」



「え?」



沙織先輩が笑う





「自惚れすぎよ」



「……そう…ですよね

すみません」



「でもね

あたしはあなたになりたかった」


沙織先輩の目が

まっすぐあたしを捕らえた



「なんであたしなんか」



「あたしはあの日あなたに言われたとおりの人だから


じゃあね


ほんとにごめん」



沙織先輩はあたしに背を向けて歩き出す



その背中はすごく寂しそうだった



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