空色の恋
「またそうやって俺の言葉に合わせて作り笑いする」
「え?」
「夢なんて叶わないって思ったでしょ?
そう言えばいいじゃん」
「どうして分かるの?」
「んーそうだなぁ
俺の母親と同じ顔してるからかな」
篠原のお母さん?
篠原の顔は笑ってるけど泣いている気がした
「あの人も大丈夫大丈夫って言い続けて生きてた」
「生きてた?」
「中1のとき自殺した」
「うそ……」
「パート先と近所の人たちにいじめられてたらしい
元々精神的に弱い方で親父も気にしてたんだけど
何聞いても大丈夫って笑ってた
俺も親父も助けてやれなかった
お前は今、あの時の母さんと同じ顔をしてる」