空色の恋





「ばっかじゃないの?!」


「は?」


取り巻きに睨まれる


「澄空?!」

七海の焦る表情も今のあたしには見えない




「いい加減にしてください


言いたいことあるからわざわざ授業始まる前のこんな時間に

あたしのこと呼び止めたんですよね?!

それで何かと思えば全部友達に言わせて


挙句の果てには責めるつもりはなかった?


勝手に友達が言いましたとでも言うつもりですか?

結局先輩自身はあたしに何してもらいたいんですか?


あたしは龍輝の幼馴染です

それ以上でもそれ以下でもありません


まあ確かに先輩よりは長く一緒にいますよ

でも今あいつの隣にいるのは先輩ですよね?


気になるなら龍輝本人に聞けばいいじゃないですか

そんなこと聞けばどう思われるか怖いから聞けないとでもいいますか?


じゃあ教えてあげますけど

あたしが知ってる龍輝はそんなやつじゃないですよ


言いたいこと一つ言うことできないのに

友達だけ悪者みたいにして


いい加減にしてください」


あたしは先輩に背を向けて歩き出した



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