空色の恋
「さすがだね」
部室に戻ったあたしに紫歩が言い
1年の部員全員がうなずく
「勘弁してよ
そもそも体育祭はクラス対抗でしょ?
だからあたしだってあんなまじめにやったのに
何で個人順位まで貼り出されてんの?!」
あたしはため息をつく
「まぁまぁ
1位でそんなに文句言わないでよ」
同じく女バスの山本七海(やまもとななみ)に言われる
「1位なんて嬉しくない!」
そんなあたしは柊澄空(ひいらぎそら)
ルックスも頭もそこそこの女子高生1年目
父親譲りの運動神経の良さだけは人並み外れている
それに加えて負けず嫌いだからなんだかんだ言って結局スポーツは1番ばっかり
性格は男っぽいから男にはモテない
女子にはいっつも頼られて相談役って感じ
それがあたし
いや違う
こんなのあたしが願ってるあたしじゃない