空色の恋
ノートを開く
使われている最後のページを見て
あたしは固まった
『サンキューな♪』
きっと沙織先輩にあの話を聞く前に書いたんだろう
ダメだ
このままじゃまた涙が流れてしまう
あたしは携帯を出した
『もしもし?』
電話越しに聞こえる篠原の声にほっとした
「今日サボることにした
あんたの家どこ?」
『○○駅まで来いよ
そこで待ってる』
「分かった」
都合のいい女だよね
辛い時だけ篠原に逃げるんだもん
でもこの時のあたしは逃げることに必死だったんだ
あたしは学校を出た