空色の恋




いまだにあいつのことは許せねえし



だいたい先に口出したのはあいつの彼女だろ

柊ちゃんも言いすぎたらしいけど




「俺…少しは役に立ってんのかな?」



「だいぶ立ってるよ」



柊ちゃんの声に俺は飛び起きる


そこには俺のパーカーを着た柊ちゃんが立っていた



「なんかおにいの借りてるみたい」


柊ちゃんがそう言って笑う



「おにい?

兄貴いんのかよ?」



「あれ?

言わなかったっけ?」


「あぁ

高校生?」


「うん

うちの学校よりも偏差値の高い高校に通ってます」



知らなかった



「篠原はあたしの役に立ってる

本当に助かってる

ありがとう」



いつからだろう


柊ちゃんのこの笑顔が好きになったのは

この笑顔をずっと見ていたいと思うようになったのは




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