空色の恋
「あたしの名前ってさ
澄み渡った空って書いてそらって読むでしょ?
そんな空みたいに澄んだ心を持って欲しい
空のようにどこからでもみんなを見て
困っている人がいたら助ける
泣いてる人がいたら声をかける
笑ってたら一緒に笑う
そういう子に育つようにって意味なんだって」
何が言いたいんだろう
「でも
本当のあたしはそんなにいい人じゃない
澄んだ心を作ることに必死で
それを演じるのに必死なの
今のあたしじゃ篠原を助けるどころか苦しめちゃうかもしれない
それでも逃げていい?」
柊ちゃんの瞳が俺をまっすぐ見つめる
「それでもいい」
ひどい女だって思う奴もいるだろう
そんな女にって思う奴もいるだろう
でも俺は思ったんだ
これ以上柊ちゃんが苦しまなくて済むなら
柊ちゃんに少しでも自分自身でいられる場所が作れるなら
俺はそれを守りたいって