空色の恋
「お疲れ~」
「お疲れさまでーす」
「明日ねぇ」
部活が終わり暗くなった外に足を踏み出す
女バスの中で先輩も合わせてあたしだけ自転車通学
まぁ都会と違って少ない電車をいちいち待たなくていいのは便利だけど
「澄空!」
後ろから大好きな声に呼ばれる
振り向くと大好きな幼馴染の顔があった
「独りでお帰りかよ」
隣に並んだ龍輝に言われる
「仕方ないでしょ
あたしだけチャリなんだし」
「送ってくれる彼氏もいねぇのかよ」
「そういう龍輝は送ってあげる彼女もいないんですかぁ?」
「うっせぇ
仕方ねぇから一緒に帰ってやるよ」
「はいはいどうも」
素直になればいいのに
強がるのなんてやめればいいのに
でももしそんなことをしてしまったら
この空間さえも壊れてしまいそうで怖い
いや違う
それ以前に
あたしと言う存在を否定するのが怖いんだ