嗚呼、愛しの姫君
もう一度、地図を眺めます。


シルティアがあって、街があって、山がある。

逆を言うと、それ以外は何も書かれていません。真っ白です。


山までの途中道に他にも何かありそうなのですが。
―きっと、大臣様にも深い事情があるのでしょう。


私は地図をたたみ、山の方向へと歩き出しました。
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