嗚呼、愛しの姫君
「…ん?」


その瞬間私の右袖から姫君が出てこられました。
盗賊は、それを目ざとく見つけます。


「何だ兄ちゃん、顔に似合わずゴキブリなんざ飼ってんのか?…オラ、どっか行きやがれ。」


そう言って盗賊は姫君をはじき飛ばそうと手を伸ばします。


―危ない姫様!
私がそういうより先に。


姫君は一瞬にして眩い光に包まれました。
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