嗚呼、愛しの姫君
「さて…おぬしからは以上かな?」


タートスの眼が禍々しく光ります。
その瞬間、私の体は巨大なヘビに締め上げられました。


「ぐっ…!」


必死にもがきますが、その締め上げは決して緩む事なく、更に強くなるばかりでした。


「姫…様っ…!」


姫君を守らなければ。
無駄な事だとは分かりつつも、私は手の甲にいらっしゃった姫君をもう片方の手で包み込みました。
< 57 / 68 >

この作品をシェア

pagetop