【短】恋の季節 ゚+。boy's story。+゚


部活を引退してから、こんなに走ったのは

初めてかもしれない。




どうか、間に合いますように。




作法も礼儀もすっとばして

鳥居の真ん中を突っ切って

階段を2段飛ばしで上っていると

案の定帰ろうとしていたのか、

視界の隅に見慣れた、焦がれた姿が映る。


逆光でどんな顔をしているのかはわからないけれど。


「あぁ、間に合った。」
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