【短】恋の季節 ゚+。boy's story。+゚
あの日が、あの時が、よみがえる。
〝なまえはなあに”
ははっ。
ずっと見続けていた後ろ姿に自然と口から言葉がこぼれる。
「お嬢さん、お名前は?」
案の定信じられないような顔で君が振り向く。
でも今回はくしゃみをし終わったからか、顔をしかめるようなことはなくて。
代わりに、目を潤ませていた。
「...どうしたの?」
...そんなの。
「おじいさんに挨拶...終わって、待ってた。」
君を。