【短】恋の季節 ゚+。boy's story。+゚
しばらくの沈黙が続く。
何かを考えるみたいにうつむくきみに
そっと独り言のように語り掛ける。
「ずっと…いつか言おうと思ってた。」
ぽつり、ぽつりと。
でもちゃんと、聞こえるように。
「でも、クラスは同じだし
親同士も顔見知りだし
なんか…恥ずかしくて。
あせって告白して関係がくずれても気まずいと思ったし。」
...ずっと、勇気が出なかった。
こわしてしまいそうで。
「だけど。
このまま別れるくらいなら、って。
それだけはイヤだと思ったから。」
あの子がそっと、
少しずつ顔をあげる。
見開いた目には
うっすら涙の幕がみえる。