【短】恋の季節 ゚+。boy's story。+゚
「くしゅん。」
結局くしゃみをしてしまったあの子を
目をパチパチさせながら覗きこんだのを覚えている。
だって"ようせい"に名前を聞いたら変顔されてくしゃみされたなんて、絵本にのってなかった。
「ぷぷっ」
おかしくて笑ってしまった。
俺の笑い声にハッとして両手で口を押さえるあの子。
「ふふっ」
「あはは」
何でかわからないけど、あの子もつられて笑い出して。
一緒になってずっと笑ってた。
きえないでよかった。
"ようせい"じゃなくて本当に良かった。
あれから今も、そう思っていることは
あの日から幼なじみになったあの子には内緒にしておこう。