仮定
「へえ……いかにもあいつらしいな」
一度目の告白を受けた翌日。
登校中、幼馴染みのきょうちゃんに昨日の出来事を話していた。
「……もう…わけがわかんないよ…」
「何で?」
「え?」
「好きって言ったんだろ?そのままの意味だろ」
「あ、や、それはわかるんだけどね?いきなりあんな大声でって…びっくりしちゃって」
「ハハ。まあ、陽太いいヤツだし良かったな」
「…う、うん…」
「ちゃんと返事してやれよ。じゃあな」
「うん、ばいばい」
きょうちゃんの手が私の頭の上でポンポンと跳ね、そのまま教室へと消えていく。
「………はぁぁ……」
きょうちゃんの姿が見えなくなった瞬間、私はため息を漏らした。
………わかってない。
ぜんっっぜんわかってないよきょうちゃん…!!
私が望んでたのはそんな反応じゃなくて、何て言うか…こう……ジェラシーをですね……!!
「はあぁぁぁ……」
二度目の、今度は深いため息。
私はトボトボと教室に向かって歩き出した。