時間よ止まれ
始まり
ヂリリリ―
小刻みに揺れる時計を叩くように止める
また憂鬱な一日が始まる
布団を雑に退けてベットから降りると
カーテンを開いて眩しいくらいに輝く太陽が
匠の部屋を照らした
寝起きの父に視線を向けては
父の視線は新聞に当たるばかり
そんな父がやっと口を開いた
「おはよう、匠」
「…おはよう」
こちらには目もくれず溜息まじりに
挨拶を交わした
背後から母の声がする
横目で振り向いてやれば
「匠、支度しなさい遅刻するよ」
「うん」
「あ、あと出るときにさ玄関の花に水やっといてね」
「うん」
右から左へ流す様に
雑に返答すると椅子に掛けて
朝食の時間を過ごした