時間よ止まれ
始まり



ヂリリリ―
小刻みに揺れる時計を叩くように止める
また憂鬱な一日が始まる

布団を雑に退けてベットから降りると
カーテンを開いて眩しいくらいに輝く太陽が
匠の部屋を照らした





寝起きの父に視線を向けては
父の視線は新聞に当たるばかり

そんな父がやっと口を開いた

「おはよう、匠」

「…おはよう」

こちらには目もくれず溜息まじりに
挨拶を交わした

背後から母の声がする
横目で振り向いてやれば

「匠、支度しなさい遅刻するよ」

「うん」

「あ、あと出るときにさ玄関の花に水やっといてね」

「うん」

右から左へ流す様に
雑に返答すると椅子に掛けて
朝食の時間を過ごした
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop