視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
大きく深呼吸して、ドアノブに手を置く。
「だっ…大輔?部屋、入るからね?」
と、おどけて言いながらドアを開き、部屋に足を踏み入れた。
ベッドには、タンクトップにトランクスを履いただけの大輔が寝転んでいた。
「うひゃああっっ?!」
初めて目にする大輔の姿に、私は顔を両手で覆い隠した後、回れ右。
何やってんのよ?!
ちゃんとパジャマくらい着なさいよ!!
せめて、掛け布団くらい…!!
と、心の中で文句を垂れていた私の背後から、腕が伸びてきた。
--- グイッ!!
「んなっっ?!…ちょっ?!だい…っっ?!」
--- チュッ…
「…ふぇっ?!」