視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


「じゃあ、【MOYA】は?【黒い靄】。」


「お前、何”モヤモヤ”言ってんの?欲求不満なわなけ?」


「違うわよ!!!ブァカ!!!」


「何なんだよ、さっきからよー…。」


「じゃ、じゃあ【黒っぽい物】は?大輔、目の病気がなんちゃらって言ってたでしょ?」


「言ってねぇよ!…ったく。もう着替えて飯にするわ。」


そう言って、大輔はハァ…と溜め息をつきながら制服に手を伸ばした。



もう、何も出る言葉が見つからない…

大輔は、昨日の事も、

【黒い靄】に引き込まれた事も、

その前の異変の事まで全て、



覚えていなかったんだから…


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