視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
「何、香歩。俺の着替えシーン見るわけ?俺は別にいいけど?」
と、意地悪そうに笑いながら言った大輔に、
『見ないわよ!!』
と怒鳴りつけて、私は大輔の部屋を出る。
「はぁ…頭おかしくなりそう…。」
もしかして、本当は、本当に、私がおかしいのかもしれない。
昨日までの事は、全部リアルな夢なんじゃないのかな…?
私が、何かのストレス?とかで記憶がごちゃごちゃになってるだけで、今が現実とか…。
そう色々考えていた私だけれど、そんな風に考える事すら無意味なのだと、後々気づかされたんだ…。