視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
「疲れてるんだ。…疲れてるんだよ、私。」
そう呟いて一度瞼を閉じ、
カレンダーの方に首を傾け、
深呼吸をしてから目を開けた…。
「………。」
ほら…
やっぱり何も無いじゃない…
そこには普段と変わらずカレンダーだけがあって、他には何も見当たらない。
「大輔の事は明日考える事にして、今日はもう寝よう…。」
そう呟きながら立ち上がり、布団に入り込んで私は眠りに落ちた。
抜けない疲労感と、
背筋に感じる悪寒と共に…。