視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
増える不審者

--- 翌日の月曜日

今日は祝日で学校はお休み。
私は気だるい体を起こして階下に向かう。

リビングに入ると、そこには携帯を手にして画面を見ているお母さんと、ソファーで新聞を読むお父さんの姿があった。

私は二人に『おはよー』と声をかけながら冷蔵庫の方に向かい、大好きなトマトジュースを取り出す。

それとコップを持ちながらお母さんの脇を通り、ダイニングテーブルの椅子に腰を掛けた。


「香歩?…また学校から不審者情報メールが届いたの。わりと近所みたいだから気を付けなさい?」


「気を付けろって…。どんな特徴?ていうか、その人達って露出狂か何か?」


私がそう聞くと、お母さんは困った様な顔をしながら口を開いた。


「それもあるけど…、本当に色々なのよ…。」


「色々って…。そんな漠然と言われても…。」


私がそう呟くと、今度はお父さんが新聞を閉じながら話し出した。


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