視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
「露出狂、誘拐、強姦、殺人未遂…だ。」
お父さんの発した言葉に、私は息を飲んだ。
この近辺は穏やかな住宅街。
その中にも派出所はあって、どちらかといえば安心して過ごせる町なのに、どうしてそんな事が起こるの?
それが不思議でならなかった。
「でも、お巡りさんだって巡回してるから…大丈夫なんじゃない?」
私がそう言うと、お父さんは渋い顔をして話し辛そうにしながらも口を開いた。
「強姦されてる子を助けに入る時に、警官がナイフで刺されたんだよ…。」
「えっ?」