視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
アルバムを片付けた後、私は頭痛が酷いからと、自室に行こうと立ち上がった。
大輔はそんな私に、
『ゆっくり寝れば良くなるさ!』
と言葉をかけた後、家に帰って行った。
ベッドに横になっても、眠れそうにはない。
立て続けに起こる事に、頭がいっぱいだったんだ。
私は制服のポケットから、携帯と紙切れを取りだした。
その紙切れに書かれた電話番号を携帯に打ち込み、発信ボタンを押す。
数回のコール音の後に、その相手の声が聞こえてきた。
「長田さん…。今、電話で話せる時間は…ありますか?」