視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


『昨日、大輔君の家で君の生年月日を聞いた時、代わりに私が調べると言ったのは覚えているかい?』


「はい。」


『それで、君の戸籍謄本を調べてみたんだよ。』


「そうですか…。ご迷惑おかけしました。」


『いや…。生年月日は確認出来た。だが…』


「どうしたんですか?」


その後に続く長田さんの言葉に、私は言葉を失った…。


『君は…。市川香歩さんは、…昨年の6月に亡くなっていたんだ。』



え…?

亡くなってるって…

何?





それじゃあ…




私は、”誰”なの?





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