視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
夕飯が喉を通るわけもなくて…
私はお母さんとお父さんに、
『お風呂に入ったら、寝るね?』
とだけ言ってリビングを後にした。
お風呂から出た後、私はベッドに入り込む。
長田さんが、また今度にしようって…
今日はゆっくり休めって言ったんだ…
もう、寝よう…
この一日、色んな出来事に身心共に疲れていた私は、直ぐに深い眠りについた…
その私の寝るすぐ脇に、【黒い靄】が居た事も気づくはずもなかったんだ…。
『コノ一年、幸セダッタダロウ…?』
【赤い目】をした【黒い靄】から手が伸びてきて、私の髪を撫でた…
『…ダガ。』