視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
赤く染まる部屋
--- 翌日の朝。
私の頭痛は何も良くなっていなくて、重く感じる体を無理矢理起こした。
本当は学校を休みたい位に、気持ちも重くなっていた。
だけど、今日は香里奈が戻って来ているかもしれないと、淡い期待を抱きながら仕度を進める。
昨日は私が大輔の家まで迎えに行ったけれど、今日は、大輔の方が早く来てくれていた。
待たせては悪いと、慌てて朝食を済ませ、大輔と一緒に自宅を後にした…。
大輔は、いつもの事の様に私の手を取り、優しい表情で微笑みながら、私の隣を歩いていた。