視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
そういえば私、事情聴取受けてて…
それで…
【黒い靄】が…
「----っっ?!!」
「どっ、どうしたんだ?」
急に起き上がった私を、大輔は不思議そうに見つめていた。
だけど、それどこれじゃなかった。
あの後どうなったのか
あの二人はどうなったのか
長田さんはどうしたのか
慌てて布団から出ようとする私を、大輔はそれを制した。
「まだ起き上がるな。脳震盪起こしてるらしいから。」
「何で私はここにいるの?!」
「香歩、事情聴取で警察署に行っただろ?その最中に、他の容疑者だかの奴がお前のいる部屋に乱入したって聞いたけど。その時、お前は容疑者に突き飛ばされて頭を打った後、気を失ったらしい。」
何…それ…。
「突き…飛ばされた…?」
「香歩が…突き飛ばされただけで済んで…本当に良かった……。」