視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


「大輔…。」


「…何?」


「大輔の中に、清隆は…いる?」


「は?…清隆?」


「ねぇ。居るんでしょ?清隆っっ。」


「香歩…。」


「私を守るって言ったじゃないっ!なら、私を守ってよ!!……っく…私の”心”を…ぅっ…守ってよ…っっ。」


「………。」


「みんなを…返して…。」


私は、”清隆”なんて知るはずもない大輔に、助けを求める様にしてすがり、声を抑える事なく泣いた…。

そんな私を、大輔はただギュッと抱き締めてくれていた…。


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