視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
大輔は、本当に突然居なくなった。
居なくなった前日も、私と一緒に学校を出て一緒に帰った。
家が隣同士だから、大輔が家の門に入ったのを私は見ている。
それなのに…。
翌朝に大輔は、
居なくなっていたんだ…。
ただひとつの手掛かりは、大輔が最近言っていた言葉だけ。
「最近、視界の端に黒っぽい物が見えるんだよ。前に医療系の番組で目の病気がどうのって言ってたから、俺、何かの病気かもしんねー。」
そして、大輔が居なくなって鬱になったおばさんは、狂った様に叫ぶ様になった…
「黒い靄が来るっっ!!大輔返せぇーっ!!」
ねぇ、大輔。どこにいるの?
【黒っぽい物】って…何なの…?
おばさんが言ってる”靄(もや)”って何?
分からない事だらけだ…