視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~





「栄。私はあなたを許さないっ。」






『”気付イタ”…名前デ呼バレルトハ…嬉シイヨ…セツ。』






私は、自ら【黒い靄】に向かって歩き出した。






「香歩っっ!!!」







お父さんの声に返事もせず、【黒い靄】に足を踏み入れた。

声にしたら、涙がこぼれ落ちそうだったから…






















『オ帰リ…セツ…。』


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