視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
そのライトに照らされた所には、数脚並べられたパイプ椅子に、座らされた人の姿があったんだ。
それに座らされた人は背中しか見えない。
だけど、私には分かったんだ。
その中にいる二人の後ろ姿が、誰のものなのか。
「香里奈っ!!おばさん!!」
私は迷わず二人に駆け寄って、二人を目の前にしたんだ。
二人は、いや、ここに座らされている人達全員…
帰ってきた大輔の時の様に、血しぶきを浴びたかの様に、血だらけの姿をしていたんだ。