視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~

そのライトに照らされた所には、数脚並べられたパイプ椅子に、座らされた人の姿があったんだ。

それに座らされた人は背中しか見えない。
だけど、私には分かったんだ。
その中にいる二人の後ろ姿が、誰のものなのか。


「香里奈っ!!おばさん!!」


私は迷わず二人に駆け寄って、二人を目の前にしたんだ。


二人は、いや、ここに座らされている人達全員…

帰ってきた大輔の時の様に、血しぶきを浴びたかの様に、血だらけの姿をしていたんだ。



< 209 / 252 >

この作品をシェア

pagetop