視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
「その拘束は解けないよ。…願いが叶わないとね。」
「その願いはどうやったら叶うの?!」
「その願いは、勿論、自分では叶えられない。現世にいる誰かが”気付いて”その人間が叶えるんだよ?忘れたのかい?」
現世にいる誰か…?
じゃあ、大輔とおばさんは、
誰が気付いて誰が叶えたの…?
そもそも、大輔達は自分の願いすら覚えてはいなかったのに、どうやって…
その私に気付いたのか、その男性は私の疑問を解くかの様に話し出した。
「松原大輔、松原尚子の願いに気付いて、そして叶えたのは、君だよ?セツ。」